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zoom RSS 「知識の情報化 」と「情報の知識化」

<<   作成日時 : 2013/10/30 11:55   >>

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コンプライアンス・アドバイザリー・パートナー  岡本展幸

 情報通信技術の急速な発展により、つい最近まで個人には入手が困難であった情報がいとも簡単に、それも無料で世界中から手に入る時代になった。ややもすると、情報の渦に飲み込まれてしまい、必要なデータを選び出すのに困惑してしまいそうな勢いで情報網は急拡大している。

 一方で、誰もが自分の知識や経験をブログやホームページを通して、タダ同然にいともたやすく世界に対して公開・公表することが可能となった。中には「ウィキペディア」といった無料でインターネット上に公開されている百科事典のようなものまで出現して、伝統的なブリタニカ百科事典などの存在さえも脅かしている。ウィキペディアによれば、ブリタニカ百科事典の書籍版の発行は2012年に停止され、現在はインターネット百科事典となっている、とある。

 さらには、大学の講義でさえ無料で受講できる世の中となった。MOOC(ムーク、Massive Open Online Course)と呼ばれる、大学水準の大規模なオンライン教育講座だ。2012年に米国で生まれ、急速に世界に普及している。米シリオコンバレー企業が始めた最も大きなサイトである「コーセラ」には世界の有力大学86校が参加しているというから驚きだ。

 強い意志と相応の理解力があれば、経済的・地理的な不利な条件を乗り越えて、希望どおりに自分の学力を高めていくことができるのだ。

 しかしながら、このように画面の「あちら側」に広がる雄大な「情報の海」をうまく泳いでいくためには、まず、情報の取捨選択、つまり必要な時に必要な情報を適格に選び出していける能力が要求される。

 さらに必要とされるのは、その情報を活用しようとする側の基本的な理解力である。情報の本質的な価値は、受け手の知識レベルによって変わってくるのである。つまり、価値ある情報が万人に対して平等に公開されていたとしても、その情報を有効に活用できるか否かを最終的に決定づけるのは、情報の受け手側の知識レベルということになる。

 心理学や社会学で使用される用語に、「フレーム・オブ・レファランス」(Frame of Reference)という言葉がある。日本語では、「準拠枠」とか「思考の枠組み」とか訳されている。「フレーム・オブ・レファランス」とは、人がモノや観念、事柄、状況などを認識する際に準拠する自分の関心、経験、感情、知識、思想などの「枠組み」のことである。

 この言葉を用いるならば、収集した情報を理解し知識化して、自らの人生やビジネスで活用していくためには、情報の受け手側の「フレーム・オブ・レファランス」が大きく影響してくると言える。

 必要とされる情報がより専門的で高度になれなるほど、それを理解し活用するためには、受けて側の「フレーム・オブ・レファランス」が相対的に大きくならなければならない。そうでなければ、貴重な情報を入手できたとしても、その内容を理解し知識化したうえで、自らの目的のために活用することができない。

 そう考えてくると、「知識の情報化」がいくら進んだとしても、「情報の知識化」を進めるためには、基本的には、われわれ「情報の受け手側」の知識レベルを相応に高めながら、「フレーム・オブ・レファランス」を拡大していく必要があるという結論に行きつく。

 もっとも、「情報の知識化」の進展のために、「知識の情報化」が一翼を担っていることも事実ではあるが。(了)


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